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曹洞宗開祖の高祖道元禅師が梅の華をご愛好なさったことに因み、当院代々の住職が梅樹を植え継ぎ、今や古木の梅樹は約400本に達しました。 三方を山に囲まれた当山は、県内でも屈指の梅園との呼び声も高く、見頃の時期には多くの花見客で賑わい、遠方からの客も少なくありません。
寒梅の清香と大杉の霊気溢れる境内を散策すれば、自然と清々しい心地になるでしょう。
蠟梅は、中国中部原産の落葉低木で、17世紀、江戸時代のはじめに中国から渡来して、漢名「蠟梅」がそのまま使われています。極寒の中、葉のない枝の中途で花をつけ、落葉後に梅に似た香りのよい黄色い花をうつむき加減に咲かせます。 開花の時期(12月下旬)になると2cmほどの花を咲かせ、上品な甘い香りを周りに漂わせます。 その香りの主成分は、シネオール、ボルネオール、リナロールなどの芳香油で鎮静作用、精神安定効果、空気清浄などのアロマセラピーの効果があり、香水などの化粧品や香料などにも用いられています。 また、蠟梅には薬効もあり、花やつぼみから抽出した生薬「蠟梅油(ろうばいゆ)」は火傷、解熱、鎮痛、せきを鎮める効果もあるといわれています。
蠟梅の名前の由来は、諸説あります。 1つは、「花が蠟細工(ろうざいく)のような光沢と質感をもち、梅に似た花を咲かせるから」という説。 もう1つは、「陰暦の12月(臘月:ろうげつ)頃(現在の1月頃)に咲く梅に似た花であることから」という説。
そして、花言葉は「慈愛」「優しい心」ひと足早い春の訪れを感じさせてくれるこの蠟梅の香りに、やすらぎのひとときを感じてみてはいかがでしょうか。
清らかで透き通るような白色が心を落ち着ける、梅の種類の一つです。実は一般的に食用の梅干しなどはこの白梅の実で有ることが多く、味も良いとされています。紅梅と共に植えられ並んでいる様はコントラストが大変美しく、当山の梅園でも紅梅と共に多くの白梅が植えられています。
鮮やかな紅色が見事な紅梅は、人々の中の梅のイメージに最も近い品種とも言えるでしょう。茶色の幹に健気に紅色の花を咲かせている様は青空にとても良く映え、眺めていて飽きることのない美しい景観を作り出します。